昨年の冬、私は毎朝のように、得体の知れない「不安」に押しつぶされそうになっていた。
私の場合は、朝起きた瞬間からお昼頃までが一番苦しい。
なぜ、朝はこれほどまでにネガティブな感情に支配されてしまうのか。
その理由を調べていくうちに、ひとつの答えに行き着いた。
朝の不安は「生命維持装置」のしわざ
朝のまどろみの時間は、自覚できる「顕在意識」と、無意識の「潜在意識」が混ざり合っている状態だという。
潜在意識には、私たちの命を守るための「現状維持装置」が備わっている。
変化をリスクと捉え、不安という感情を煽ることで、「今のままがいい、動くのはやめておこう」とブレーキをかけてくるのだ。
学生の頃、前の晩に「明日こそあの子に告白しよう!」と意気込んでいたのに、
翌朝になると「やっぱりやめよう……」と急に弱気になったあの感覚。
あれも、私の生命維持装置が正常に働いていた証拠だったのだ。
さらには朝方の低血糖も、脳にエネルギーが回らずネガティブになりやすい原因のひとつ。
「仕組みを知れば、少しは楽になるはずだ」 私はそう自分に言い聞かせていた。

理屈では消えない「恐怖」に出会った日
しかし、知識だけで解決できるほど、心は単純ではなかった。
ある日、私の心は朝から晩まで、真っ暗なネガティブな感情で満たされまくっていた。
それは単なる「不安」という言葉では生ぬるい、どんどんお金がなくなっていくことへの、根源的な「恐怖」や「怖れ」だった。
仕事中も、その怖さに耐えきれず、ひとり泣いていた。
「仕組み」を知っていても、おにぎりを食べても、身体を動かしても、どうしても消えない恐怖がある。そんな自分に直面したとき、私はもう、自分を責めることに疲れてしまった。
「しょうがない。そりゃ、なるよね」
そのとき、ふっと口をついて出た言葉がある。
「しょうがない。そりゃ、こんな状況なら、怖くて泣くよね」
ネガティブになってしまう自分を無理に変えようとしたり、分析したりするのをやめて、
ただ、その情けない姿を「許す」ことにしたのだ。
いいとか、悪いとか、ジャッジするのをやめる。
ただただ、この恐怖を見つめ、受け入れる。
それが、頭でっかちだった私にとって、本当の意味での「自愛」の一歩だったのかもしれない。

もし今、朝の不安や将来への恐怖で動けなくなっている人がいたら、
自分にこう言ってあげてほしい。
「今日も生命維持装置が正常に働いているね。そして、怖がっている自分も、それでいいんだよ」と。
明日の朝は、今日より少しだけ、多めに朝食を食べてみようと思う。 心と体を、ゆっくりと緩めながら。


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